SOGIハラとは?性的指向や性自認を尊重するためにできること

はじめに
皆さんSOGIハラという言葉をご存じですか。SOGIハラとはLGBTQの人たちが日常的に直面しているハラスメントのことです。ところが、SOGIハラの実態や影響については十分に理解されているとは言えない状況です。そこでこのコラムでは、SOGIハラの基礎を分かりやすく解説し、併せて、対策についても考えてみたいと思います。
ところでSOGI(ソジ)って何?
SOGIはSexual Orientation and Gender Identityの略語です。SOは「性的指向」のことで、好きになる相手の性を指します。GIは「性自認」のことで、自分自身を男性、女性、どちらでもない、或いはどちらとはっきり決められない、と認識することを指します。
SO(Sexual Orientation) |
好きになる相手の性のこと(性的指向) |
GI(Gender Identity) |
自分を男性、女性、どちらでもない、決められない、と認識すること(性自認) |
SOGIハラについて
SOGIハラとは、SOGIに基づくハラスメント、すなわち「性的指向」や「性自認」に基づく差別や嫌がらせのことです。具体的には以下のような行為を受けることです。
★ 自分の性的指向や性自認を否定されたり、変えるように言われたりする
★ 暴力や脅迫を受けたり、性的な嫌がらせを受けたりする
★ 学校や職場でいじめられたり、差別されたり、孤立させられたりする
★ 家族や友人から理解や支援を得られなかったり、拒絶されたりする
SOGIハラを受けた人は自己肯定感や自尊心が低下し、心身の健康に深刻な影響が生じます。これは人権侵害であり決して許されることではありません。しかし、残念ながらSOGIハラは社会に根深く存在しており、多くの人が無意識に加担していることがあります。では、私たちはどうすればよいのでしょうか?
SOGIハラを防ぐために
SOGIハラを防ぐためには、まず社会全体でSOGIの多様性を認めることが重要です。SOGIは個人のアイデンティティそのものであり、容易に選択や変更ができるものではありません。人間の本質的な特徴であり、尊重されるべきものです。
次に、自分自身の考え方や言動を見直すことが必要です。LGBTQの人たちに対して偏見や無知がないか、自分の立場や経験だけで判断していないか、相手の気持ちや立場を尊重しているかなどをチェックしましょう。
また、SOGIハラに関する正しい知識を学ぶことも重要です。インターネットで調べたり、LGBTQの人たちの声や体験を聞く機会を設けましょう。私たち一人ひとりがSOGIの多様性を理解し尊重することで、SOGIハラのない平等な社会が実現するのです。
最後に
職場で何気なく「ホモはキモい」、「レズってやばい」、「あいつオカマだよ」などの言葉を発していないでしょうか(これらもSOGIハラです)。軽い気持ちであっても、このような言葉で深く傷ついている人が近くにいるかもしれません。性的指向や性自認はとても多様であるということを自覚し、SOGIハラのない職場・社会を作っていきましょう。